2024年5月26日、二所ノ関部屋の小結・大の里が初土俵から7場所目で優勝をしました。幕下付け出しの力士として最速記録です。そんな大の里 泰輝(おおのさと だいき)が名古屋場所で大関に昇進するのかどうか。大の里の大学時代の事や、今までの成績などをまとめています。
大の里泰輝の名古屋場所での大関昇進の可能性
2024年5月26日、二所ノ関部屋の小結・大の里が初土俵から7場所目で優勝をしました。幕下付け出しの力士として最速記録での優勝です。付け出しを除いた最速記録は、2024年3月場所で新入幕から10場所で優勝した尊富士(たけるふじ)の記録です。大の里は2024年7月現在、申し分ない実力と結果を持っています。
幕下10枚目格の付け出しとして初土俵を踏んだのは、元前頭の清瀬海(きよせうみ)、前頭の遠藤(えんどう)、前頭二枚目(元大関)の御嶽海(みたけうみ)に続いて4人目で、その後規定が変わったため最後の幕下10枚目格付け出しです。幕下15枚目格付出力士は22人。三段目最下位格付出が2015年の制度創設から2023年の改定前までで15人ですので、この事からも実力が伺い知れるでしょう。
そんな大の里は2024年5月場所を終わった時点で小結ですが、7月場所の結果で大関昇進の可能性はあるのでしょうか?
可能性は十分にあります。
現在の大関昇進の条件は次のようなものです。
3場所というと3月春場所、5月夏場所、7月名古屋場所で『平幕→三役→三役』となり条件を満たしませんが、学生相撲出身で特例を受けている事と5月場所で優勝していることから、7月の名古屋場所で優勝するか、たとえ優勝できなくても13勝した場合には大関に昇進すると見られます。
もし全勝で優勝した場合には、文句なく大関昇進でしょう。スカッと全勝の大関昇進に期待できる力を持っていると思います。
初土俵から初優勝までの取組結果
2023年5月初場所から2024年5月場所で初優勝するまでの取り組み結果は以下の通りです。7場所最速での優勝は、12勝3敗の優勝でした。
2024年5月場所 西小結1 大の里泰輝 12勝3敗 優勝
〇●〇〇〇〇〇〇●〇●〇〇〇〇
2024年夏場所 | 勝敗 | 決まり手 | 対戦相手 |
---|---|---|---|
初日 | 〇 | すくいなげ | 照ノ富士 |
2日目 | ● | 押し出し | 高 安 |
3日目 | 〇 | 寄り切り | 翔 猿 |
4日目 | 〇 | つきおとし | 若元春 |
5日目 | 〇 | よりたおし | 霧 島 |
6日目 | 〇 | 寄り切り | 琴 桜 |
7日目 | 〇 | したてだしなげ | 熱海富士 |
8日目 | 〇 | はたきこみ | 大栄翔 |
9日目 | ● | 押し出し | 平戸海 |
10日目 | 〇 | おしたおし | 豪ノ山 |
11日目 | ● | 下手投げ | 豊昇龍 |
12日目 | 〇 | 押し出し | 宝富士 |
13日目 | 〇 | 押し出し | 宇 良 |
14日目 | 〇 | 押し出し | 湘南乃海 |
千秋楽 | 〇 | 押し出し | 阿 炎 |
2024年3月場所 西前頭5 大の里泰輝 11勝4敗 準優勝
〇〇〇〇□〇●〇〇●〇●〇〇●
※□は不戦勝
2024年春場所 | 勝敗 | 決まり手 | 対戦相手 |
---|---|---|---|
初日 | 〇 | 寄り切り | 照ノ富士 |
2日目 | 〇 | 寄り切り | 高 安 |
3日目 | 〇 | 寄り切り | 翔 猿 |
4日目 | 〇 | 押し出し | 若元春 |
5日目 | □ | 不戦勝 | 霧 島 |
6日目 | 〇 | 押し出し | 琴 桜 |
7日目 | ● | すくい投げ | 熱海富士 |
8日目 | 〇 | 押し出し | 大栄翔 |
9日目 | 〇 | 寄り切り | 平戸海 |
10日目 | ● | 押し出し | 豪ノ山 |
11日目 | 〇 | 押し出し | 豊昇龍 |
12日目 | ● | 小手投げ | 宝富士 |
13日目 | 〇 | 叩き込み | 宇 良 |
14日目 | 〇 | 叩き込み | 湘南乃海 |
千秋楽 | ● | 下手投げ | 阿 炎 |
2024年1月場所 西前頭15 大の里泰輝 11勝4敗
〇〇●〇〇〇〇〇〇●●●〇〇〇
2023年11月場所 東十両5 大の里泰輝 12勝3敗
〇〇〇□●〇〇●〇●〇〇〇〇〇
※□は不戦勝
2023年9月場所 東十両14 大の里泰輝 12勝3敗
〇〇〇〇〇〇〇〇〇●〇●〇〇●
2023年7月場所 東幕下3 大の里泰輝 4勝3敗
-〇〇-●-●-〇-●–〇-
2023年5月場所 幕下10付出 大の里泰輝 6勝1敗
●-〇–〇-〇-〇〇—〇
出身大学・高校・中学・小学校の学歴とプロフィール
名前 | 大の里 泰輝 西関脇 |
所属部屋 | 二所ノ関 |
---|---|
本名 | 中村 泰輝 |
しこ名履歴 | 大の里 |
生年月日 | 2000年6月7日(2024年現在24歳) |
出身地 | 石川県河北郡津幡町 |
出身大学 | 日本体育大学 |
出身高校 | 新潟県立海洋高等学校 |
出身中学 | 新潟県糸魚川市立能生中学校 |
出身小学校 | 石川県津幡小学校 (津幡町少年相撲教室) |
身長 | 192.0cm |
体重 | 181.0kg |
得意技 | 突き・押し・右四つ・寄り |
初土俵 | 令和五年五月場所 |
新十両 | 令和五年九月場所 |
新入幕 | 令和六年一月場所 |
新三役 | 令和六年五月場所 |
最高位 | 関脇 |
小学校から大学までの相撲の記録
大の里はアマチュア相撲をしていた父の影響で小学一年生から相撲を始めます。その後中学は「相撲留学」として魚川市立能生中学校に進みます。高校も新潟にある海洋高相撲部でした。故郷の石川県を離れた理由は・・・
石川県内にも遠藤や炎鵬、輝らを輩出した金沢市西南部中をはじめ相撲の名門はある。それでも県外に出ることを決めたのは「相撲だけに集中する」ためだ。
北國新聞 2023/9/24の記事より引用
このように、相撲に集中する環境を自ら作り出し、実力をつけて行きました。そして現在の二所ノ関部屋を選んだ理由も同じで、一貫して相撲に集中して取り組んでいます。
多くの相撲部屋は両国近辺に構えているのに対し、同部屋は茨城県阿見町にある。両国国技館までは電車で約1時間半かかり、東京23区と比べれば決して便利とは言えない環境を自ら選んだ。
北國新聞 2023/9/24の記事より引用
そんなストイックな性格が身を結び、中学3年から結果(優勝)を出し始めます。そして大学卒業まで優勝を14回(記録に残っているもの)経験していますが、その元になったのも大の里のストイックさがあってこそです。
中能生中学校へ進学(相撲留学)したきっかけは、同郷の先輩・三輪隼斗さん(ソディック)の活躍をテレビで知ったからでした。そして同じ中学・高校へ進学する事を決めました。
そこで努力の結果が実を結び優勝を経験しましたが、高校で全国優勝は1回。そのまま高校を卒業して角界入りの道もありましたが、次のように考えます。
「全国大会で2度以上優勝できたら角界、できなければ進学」との自身の取り決めに従って日体大に進んだ。
北國新聞 2023/9/24の記事より引用
と、角界入りを目指すのではなく、もっと上の、角界で活躍する事を考えていたのでしょう。
そしてそのストイックな生活の成果はすぐに表れ、2024年5月に大相撲で初優勝となりました。
次は大関昇進を確信しています。
2015年 中学三年生
・石川県相撲連盟北信越大会 優勝
・全国中学校相撲選手権大会 3位
・白鵬杯 個人優勝
2016年 高校一年生
・全国高校総体相撲競技大会 個人準優勝
・選抜高校相撲選抜十和田大会 個人3位
2017年 高校二年生
・全国高校総体相撲競技大会 ベスト32
2018年 高校三年生
・石川県相撲連盟金沢大会 個人3位
・選抜高校相撲十和田大会 個人優勝
2019年 大学一年生
・石川県相撲連盟宇佐大会 個人3位
・石川県相撲連盟金沢大会 個人3位
・東日本学生体重別135kg以上級 優勝
・全国学生体重別135kg以上級 優勝
・国民体育大会相撲競技青年の部 個人戦優勝
・全国学生相撲選手権大会 学生横綱
2020年 大学二年生
・東日本学生体重別135kg以上級 2位
・全日本相撲選手権 ベスト8
2021年 大学三年生
・東日本学生選手権 個人優勝
・東日本学生体重別135kg以上級 優勝
・全国学生体重別135kg以上級 優勝
・全日本相撲選手権 優勝 アマチュア横綱
2022年 大学四年生
・ワールドゲームズ無差別級 金メダル、
重量級 銀メダル
・東日本学生体重別135kg以上級 優勝
・全国学生体重別135kg以上級 2位
・国民体育大会相撲競技青年の部 個人戦優勝 2連覇 (※2019年優勝、20年21年は未開催)
・全国学生相撲選手権大会 個人戦準優勝
・全日本相撲選手権 優勝 アマチュア横綱 2連覇